- 家庭菜園を始めてみたけどマルチをするのって面倒くさいよなぁ
- やり方もよく分からないし大変そう
- もっと他に使えて簡単なものとかないのかなぁ
この記事はこのような悩みを持つあなたに向けてお届けします。
家庭菜園をするのにマルチって土の乾燥を防いだり雑草を防止するのに必要で、基本的にはビニールのマルチシートを敷いて使います。
だけど、このビニールのマルチって敷くのにコツがいるし使い終わったあとの片付けがけっこう大変だったり、またゴミもかなり出る上にかなり値段もするしでなかなか始める気にならないんですよね。
なのでこの記事では、ビニールのマルチシートの代わりに使えるものとその使い方、注意点についてお伝えします。
この記事を読むことで、あなたはもっと手軽で簡単なマルチング方法を知り、家庭菜園をする上での労力と費用をかなり軽減させることができるようになります。
草刈り後の草やわら
刈り取った草やわらは、土の上に敷くだけで保湿・防草効果があり、土壌温度も安定させてくれます。
また、分解されて有機物として土壌の栄養にもなる上に、手に入りやすいためかなりおすすめです。
ただ草やわらをただ使えばいいというわけではなく、使うにあたっての注意点があります。
草やわらを使う注意点
- 乾燥させてから使う
- 厚く敷きすぎない
- 植え付け部分に直接触れさせない
- こまめに点検する
- 刈り取った草に注意
- 他の防虫対策と併用する
草やわらを使う注意点
草やわらはそのまま使うと虫が寄ってくる可能性があり、使用する際にはいくつかの注意点があります。
乾燥させてから使う
草刈り後の草やわらは、できるだけしっかり乾燥させてから敷くのがポイントです。乾燥したものの方が虫が寄りにくく、腐敗もしにくくなります。湿ったままだと、特にナメクジやダンゴムシ、カビなどが発生しやすくなります。
厚く敷きすぎない
厚く敷くと、下の方が蒸れて湿度が高くなりやすいため、虫や病気が発生しやすくなります。5〜10cm程度を目安に、薄めに広げると良いです。
植え付け部分に直接触れさせない
草やわらを敷くときは、植物の根元から少し離して置くと虫が植物に直接移りにくくなります。直接触れると、病害虫の侵入のリスクが高まるため、周囲だけに敷くのがおすすめです。
こまめに点検する
草やわらは時間とともに分解が進みます。そのため、定期的に点検して、虫の発生が見られた場合には早めに除去・交換することが大切です。
刈り取った草に注意
種がついた草や、病気が出ている草を使うと、思わぬ病害や雑草の発芽を引き起こすことがあります。種がない草を選ぶか、病気のない部分を使うようにしましょう。
他の防虫対策と併用する
天然の防虫ハーブ(ニームやミント)を周りに植える、または木酢液を散布するなどして、虫が寄りにくくする工夫も効果的です。
乾燥した草やわらを適切な厚さで敷くことで、虫の発生をある程度抑えながら、土壌保湿や雑草抑制の効果を得ることができます。
段ボール
段ボールは簡単に手に入る上、雑草を抑える効果があります。
ただし、雨に濡れると分解が早まるので、必要に応じて取り替えることが必要です。
また、段ボールをマルチシートの代わりとして使うにはいくつかの注意点があります。
段ボールを使う上での注意点
- 雑草が生えやすくなる
- 湿気がこもりやすくなる
- 虫が集まりやすくなる
- 土壌への有機物の供給
- こまめな補充が必要
段ボールを使う注意点
段ボールは雨や湿気で分解が進むと、徐々にボロボロになって土に混ざり始め、分解が進むと次のような点に注意が必要です。
雑草が生えやすくなる
段ボールが分解されて隙間ができると、そこから雑草が生えやすくなります。
雑草を防ぐ効果が弱まったら、新しい段ボールを敷いたり、他の素材と併用するのがおすすめです。
湿気がこもりやすくなる
分解が進むと、段ボールが湿って重くなり、下に湿気がこもりやすくなります。
湿気がこもると土が過湿状態になり、根腐れやカビの原因になることがあります。
段ボールが傷んできたら取り除き、湿気がこもっていないか確認しましょう。
虫が集まりやすくなる
湿った段ボールは虫(特にナメクジやダンゴムシ)を引き寄せやすくなります。
分解が進んでボロボロになってきた段ボールには、虫が隠れやすくなるため、虫の発生に気をつける必要があります。
虫が気になる場合は早めに新しい段ボールに交換しましょう。
土壌への有機物の供給
分解された段ボールは、有機物として土に還元されるため、土壌の栄養源にはなります。
ただし、段ボールのインクや接着剤の成分により、環境に影響を及ぼす場合があるので、インクが少ないものや無害な接着剤が使われている段ボールを選ぶと安心です。
こまめな補充が必要
雨や湿気の多い季節には、分解が早く進むため、定期的に新しい段ボールを追加する必要があります。
段ボールが無くなってきたら、その都度補充して防草効果を維持しましょう。
段ボールは使いやすいですが、特に雨季や湿気の多い時期には注意が必要です。
新聞紙
新聞紙を数枚重ねて敷くことで雑草を抑えることができます。
その上に土や草を少しのせると風で飛ばされにくくなります。
こちらも自然分解しますが、インクの種類には注意しましょう。
新聞紙は、手軽で使いやすいマルチ材の一つです。
防草や保湿のために、土の上に敷くことで雑草の発芽を抑え、土壌の水分も保てます。
使い方や注意点は以下の通りです。
新聞紙の使い方
- 新聞紙を重ねて敷く
- 植物の周りは少し空ける
- 新聞紙の上に軽い土やわらをのせる
- 水で湿らせる
新聞紙の使い方
新聞紙はただ土の上に置くだけでも効果はありますが、ここではさらに効果的な使い方をお伝えします。
新聞紙を重ねて敷く
新聞紙を2~5枚程度重ねて、土の上に敷きます。
重ねることで雑草が突き破ってくるのを防ぎ、より高い防草効果が得られます。
植物の周りは少し空ける
新聞紙を植物の根元には直接敷かず、少しだけ空けて敷くと、根元が蒸れにくくなります。
特に水やりの際に根元が湿りすぎるのを防げるため、病気のリスクを減らせます。
新聞紙の上に軽い土やわらをのせる
新聞紙は風で飛ばされやすいため、軽く土やわら、もみ殻などをのせて固定します。
これで安定し、より長持ちします。
水で湿らせる
新聞紙を湿らせると柔らかくなり、地面にしっかり馴染むので飛ばされにくくなります。
また、湿った状態の方が防草効果が上がります。
新聞紙を使う際の注意点
先ほど新聞紙の使い方をお伝えしましたが、一度新聞紙を敷いたらOKであとはほったらかしでOKというわけではありません。
ここからは新聞紙を使う上での注意点をお伝えします。
インクの種類に注意
新聞紙のインクには、有害な成分が含まれている場合があります。
できるだけ無害な植物性インクを使用している新聞を選ぶと安心です。
印刷が少ない部分を使用するのも良い方法です。
分解が進んだら取り替える
新聞紙は雨や湿気で分解が早く進みます。
ボロボロになって雑草が生えてきたら、新しい新聞紙に取り替えましょう。
厚く敷きすぎない
新聞紙を厚く敷きすぎると、土が乾燥しにくくなり、水はけが悪くなる可能性があります。
適度な厚さ(2~5枚程度)で敷き、土壌が過湿にならないようにしましょう。
乾燥時期には注意
乾燥した季節には、新聞紙が乾いて土にしっかり馴染まない場合もあります。
湿らせたり、少し土をのせるなどしてしっかり固定しましょう。
分解後の栄養過多に注意
新聞紙が分解すると土に有機物として取り込まれますが、過剰な有機物は場合によっては肥料過多を招くことがあります。
土壌の様子を見ながら、適度に使用しましょう。
新聞紙は使い方次第で、自然に分解され土壌改善にも役立ちます。
落ち葉
落ち葉や腐葉土も効果的なマルチの代用品です。
土の保湿や温度安定化に加え、土壌に有機物を供給します。
また落ち葉は、基本的にどの種類でもマルチとして使えますが、いくつかの点に注意すると効果的に使えます。
以下、落ち葉をマルチ材として使う際のポイントと注意点です。
落ち葉を使う注意点
なるべく病気やカビがついていないものを使う
病気やカビのある葉を使うと、その病原菌やカビが土に広がり、植物に悪影響を及ぼすことがあります。
病気にかかっていない健康な落ち葉を選びましょう。
木の種類による違いに注意
一部の樹種には、土壌に影響を与えるものがあります。
例えば、松の葉やスギの葉は酸性が強いため、酸性土壌を好む植物には適していますが、他の植物には適さないこともあります。
また、クスノキやユーカリなどの葉は、他の植物の生育を抑える物質(アレロパシー)を含む場合があるため、避けた方が無難です。
細かく砕いて使う
大きな葉をそのまま使うと、風で飛ばされたり、分解が遅くなったりするため、細かく砕いて敷くと良いです。
葉が細かいと土に馴染みやすく、分解もスムーズに進みます。
湿らせてから敷く
落ち葉は乾燥した状態だと風で飛ばされやすいので、軽く湿らせてから敷くと安定します。
これにより、地面にしっかり密着して防草・保湿効果が高まります。
厚く敷きすぎない
落ち葉を厚く敷きすぎると、下の方が蒸れてしまい、カビや腐敗の原因になります。
5~10cm程度を目安に敷き、必要に応じて少しずつ補充すると良いでしょう。
除草や土壌改良のタイミングに合わせて使う
落ち葉は分解されると有機物として土に混ざり、土壌改良にもなります。
落ち葉が分解しやすい時期(春や初秋)に敷くと、翌年の土壌がふかふかになりやすく、植物の成長にも良い影響を与えます。
これらのポイントに注意し、落ち葉を活用すると、手軽に有効なマルチ材として使えます。
腐葉土
腐葉土(ふようど)とは、落ち葉や枯れた植物が分解されてできた有機物豊富な土のことです。
主に菌類や微生物の働きによって落ち葉がゆっくりと分解され、ふかふかした状態になったものを指します。
腐葉土をマルチとして使うのにはいくつかメリットがあります。
腐葉土マルチのメリット
- 保湿:水分を保持し、土壌の乾燥を防ぎます。
- 保温:冬場でも地温を安定させ、植物の根を保護します。
- 防草:腐葉土の層が雑草の発芽を抑制します。
- 土壌改良:分解されることで有機物として土壌に還元され、肥沃な土壌を作ります。
腐葉土をマルチとして使う手順
先ほど腐葉土を使うメリットをお伝えしてきましたが、ここではその腐葉土をマルチとして使う手順をお伝えします。
畝や地面を整える
腐葉土を撒く前に、土の表面を平らに整えます。
雑草が生えている場合は抜いておきましょう。
水やりをする場合は、先に十分に水を撒いて湿らせておきます。
腐葉土を撒く
株元や地表全体に腐葉土を均一に広げます。
厚さの目安は3~5cm程度の層を作ると効果的です。
薄すぎると防草や保湿効果が弱まり、厚すぎると通気性が悪くなる可能性があります。
植物の根元を空ける
株の根元から数センチ離して腐葉土を敷きます。
直接接触すると湿気が溜まり、病害のリスクが高まります。
水やりをする(必要に応じて)
腐葉土を敷いた後、全体に軽く水を撒いて落ち着かせます。
風で飛びにくくなる効果もあります。
適宜補充する
腐葉土は時間とともに分解されていくので、数ヶ月ごとに必要に応じて補充します。
注意点
腐葉土をマルチとして使う手順をお伝えしてきましたが、腐葉土マルチは使って終わりではなく、注意点がいくつかあります。
乾燥しすぎないようにする
腐葉土は軽いため、乾燥すると風で飛ばされやすいです。
適度に湿らせておくか、風が強い地域では他の素材(わらやもみ殻)を混ぜて重さを増やすと良いでしょう。
病害虫に注意
未熟な腐葉土を使用すると、発酵熱や病原菌が植物に影響を及ぼす可能性があります。
必ず熟成された腐葉土を使用してください。
栄養バランスを補う
腐葉土だけでは十分な肥料効果が得られないことがあります。
植物の成長に合わせて、必要に応じて化成肥料や有機肥料を追加してください。
厚さの調整
厚すぎると通気性が悪化し、植物の根が酸欠になる可能性があります。
適度な厚さを守りましょう。
腐葉土を自作する方法
腐葉土は自作も可能です。
落ち葉を集め、湿らせてからビニール袋やコンポストに入れて、しばらく寝かせることで腐葉土ができます。
数ヶ月から1年ほどで完成し、しっかりとした土に変わります。
腐葉土は自然に近い環境を作るのに役立ち、植物に優しい環境を整えるため、マルチシートの代わりだけでなく土作りとしても役立ちます。
木のチップやバークチップ
木のチップは保水性や防草効果に優れており、見た目もナチュラルです。
長期間の効果を期待でき、観賞用の家庭菜園にも適しています。
木のチップやバークチップの入手場所
木のチップやバークチップは、以下のような場所で手に入れることができます。
ホームセンターやガーデニングショップ
ホームセンターやガーデニング用品を扱う店舗では、木のチップやバークチップが袋詰めで販売されています。
サイズや色、種類も選べるので、用途に合わせて購入しやすいのが特徴です。
オンラインショップ
Amazonや楽天、園芸専門のオンラインショップなどでも販売されています。
さまざまな種類やサイズが揃っているため、近くに店舗がない場合でも購入可能です。
レビューを参考にしながら選べるのもメリットです。
造園業者や材木店
造園業者や材木店でも手に入れることができます。
特に、大量に木のチップが必要な場合は、まとめて販売してくれることが多く、費用も抑えられることがあります。
また、地域によっては、伐採や枝払いで発生したチップを安価または無料で提供している場合もあります。
公共のリサイクルセンターや自治体の施設
一部の自治体では、剪定した木の枝や葉を粉砕し、無料または低価格で住民に提供していることがあります。
リサイクルセンターやクリーンセンターに問い合わせると、地元のリソースを活用できる場合があります。
自作する
剪定した枝などがある場合は、家庭用の粉砕機(シュレッダー)を使って自作することも可能です。
庭の手入れで発生した枝や木を細かくして利用できるため、資源を無駄なく活用できます。
木のチップやバークチップは、見た目が自然で景観にも馴染みやすく、保水性や防草効果があるため、庭づくりや菜園におすすめです。
もみ殻
もみ殻は水はけがよく、軽いため扱いやすいです。
特にトマト、ナス、キュウリなど乾燥を嫌う作物の保湿・防草に適しています。
さらにマルチシートとしてもみ殻を使うメリットもいくつかあります。
もみ殻を使うメリット
- 防草効果
雑草の発芽を抑える効果があります。ただし完全には防ぎきれないため、発芽した雑草は早めに取り除きましょう。 - 保湿・保温効果
土壌表面の蒸発を抑え、水分を保ちます。また、寒い季節には地温を安定させる効果も。 - 土壌改良効果
分解されるともみ殻が有機物となり、土壌の通気性や排水性を改善します。 - 環境への優しさ
自然素材であり、使い終わった後も土壌に還元されます。
もみ殻の入手場所
もみ殻の特徴や使うメリットをお伝えしてきましたが、ここではその入手場所についてお伝えします。
農協(JA)
農協では、もみ殻を販売していることが多いです。
特に農業が盛んな地域の農協であれば、比較的手に入れやすく、袋詰めのものが販売されています。
ホームセンター
一部のホームセンターでは、もみ殻をガーデニング用品の一つとして取り扱っています。
少量であれば手軽に入手でき、袋に入った状態で売られていることが多いです。
米農家
もみ殻は、稲の収穫時に発生する副産物なので、米農家に相談すると譲ってもらえることがあります。
多くの場合、大量に余っているため、無料で分けてもらえることもあります。
オンラインショップ
Amazonや楽天市場などのオンラインショップでももみ殻が販売されています。
地域によっては近くに農協や米農家がない場合もあるため、オンライン購入は便利です。
地域のクリーンセンターや資源センター
地域によっては、もみ殻をリサイクル資源として提供していることもあります。
市町村のリサイクルセンターに問い合わせると、無料または低価格で入手できる場合があります。
もみ殻は、通気性や水はけを良くするため、土壌改良やマルチング材として家庭菜園や庭に適しています。
また、もみ殻を「くん炭」に加工して使うと、さらに使い道が広がります。
もみ殻の使い方
もみ殻をマルチシートの代わりに使用する場合、以下の手順とポイントを参考にすると効果的です。
もみ殻は軽く、手軽に使える素材で、防草や保湿、保温などの効果を発揮します。
畝や地面の準備
雑草を取り除き、土の表面を平らに整えます。
必要に応じて土を湿らせておきます。
もみ殻を敷く
土の表面に均一に広げます。厚さは2~5cm程度が目安です。
厚く敷きすぎると水や空気の通りが悪くなるため注意。
株元を空ける
植物の根元(5~10cm程度)はもみ殻を敷かずに空けておきます。
根元を覆うと湿気がこもり、病気が発生しやすくなるためです。
風対策をする
もみ殻は軽いため、風で飛ばされやすいです。以下の対策をすると良いです。
- 水をかけて湿らせ、もみ殻を安定させる。
- 上に草刈り草やわらを薄く重ねる。
- 石や板を一部に置いて固定する。
定期的な補充
もみ殻は時間とともに分解されていくため、数ヶ月ごとに補充します。
注意点
もみ殻は防草効果・防湿効果だけでなく、栄養があり土壌改良にも効果を発揮しますが、その反面使う際に注意が必要な点があります。
以下にその注意点をお伝えします。
風に弱い
軽量なため、風が強い地域では敷き方を工夫するか、他の素材(草刈り草やわら)と混ぜて使うと良いです。
分解速度
分解が早いため、長期の防草には不向き。
防草効果を重視する場合、もみ殻を「もみ殻くん炭」に加工すると分解が遅くなり効果が持続します。
厚さ管理
薄すぎると防草や保湿効果が弱まり、厚すぎると通気性が悪化します。
適度な厚さを保つことが大切です。
病害虫のリスク
新しいもみ殻を使う際には、湿気が多いとカビが発生する場合があります。
乾燥した状態で使用するか、必要に応じて蒸気消毒やくん炭加工を検討してください。
さらに効果を高める工夫
- もみ殻くん炭の利用
もみ殻を炭化させた「もみ殻くん炭」を使うと、分解が遅く長期間効果を発揮します。 - 堆肥や腐葉土との併用
もみ殻の上に薄く腐葉土を重ねると、保湿・防草効果が高まり、見た目も良くなります。
もみ殻はコストが低く、環境にも優しい素材です。シンプルな作業で多用途に使えるため、ぜひ試してみてください!
敷きワラやおがくず
敷きワラやおがくずもマルチとして使え、保湿・防草に役立ちますが、分解が早いので、定期的に補充する必要があります。
これらの素材は環境に優しく、また手に入りやすいものが多いため、家庭菜園や小規模な畑でマルチの代わりとして活用できます。
敷きわらやおがくずの入手場所
敷きわらやおがくずは、以下の場所で手に入れることができます。
ホームセンターや園芸ショップ
敷きわらやおがくずは、ガーデニング用品として販売されています。
特に春や秋の園芸シーズンには種類も増えることが多いです。
袋詰めで売られているため、必要な量を手軽に購入できます。
農協(JA)
農協では、稲わらを敷きわらとして販売していることが多いです。
特に農業が盛んな地域では、わらを束で手に入れることも可能です。
おがくずについても、地域によっては取り扱っている場合があります。
製材所や木材加工場
おがくずは、木材を加工する際に出る副産物なので、製材所や木材加工場で譲ってもらえることがあります。
製材所によっては無料または低価格で提供しているところもあります。
連絡を入れて相談してみると良いでしょう。
米農家や稲作農家
稲わらは、米農家で収穫後に出るため、近隣の農家に相談すると譲ってもらえることがあります。
大量に余っていることが多く、無料で譲ってもらえる場合もあります。
乾燥させた稲わらが敷きわらとして最適です。
オンラインショップ
敷きわらやおがくずは、Amazonや楽天市場、園芸専門のオンラインショップでも販売されています。
袋入りで購入でき、配送してもらえるため、近隣で手に入らない場合に便利です。
地域の資源センターや自治体のリサイクルセンター
自治体によっては、稲わらや木材のリサイクルとして敷きわらやおがくずを提供していることもあります。
特に農業や林業が盛んな地域では、地元のリソースを活用できる可能性がありますので、問い合わせてみると良いでしょう。
敷きわらやおがくずは保温・保湿効果が高く、雑草対策としても使えるため、家庭菜園や庭づくりに役立ちます。
そもそもマルチって必要?
マルチ(マルチング)は、畑や家庭菜園、庭で植物を育てる際に、土壌の表面を覆う作業のことです。
マルチが必要な理由は、植物の生育を助け、手間を軽減し、収穫量や品質を向上させる効果があるためです。
以下に詳しく解説します。
マルチが必要な理由
土壌の乾燥を防ぐ(保湿効果)
- マルチは土壌の水分蒸発を抑えるため、乾燥を防ぎます。
- 特に夏場や雨が少ない地域では、植物の根が適度に湿った状態を維持でき、頻繁な水やりの手間を減らします。
雑草を抑える(防草効果)
- 土の表面を覆うことで、雑草の発芽と成長を抑制します。
- 雑草が少なくなると、植物が養分や水分を奪われる心配がなくなり、手間も減ります。
地温を調整する(保温・冷却効果)
- 冬場:マルチが土壌を覆うことで地温を保ち、植物の根を寒さから守ります。
- 夏場:地表面の温度上昇を防ぎ、根が熱で傷むのを防ぎます。
病害虫の予防
- 土壌表面を覆うことで、土壌由来の病原菌が植物に跳ね返るのを防ぎます(特に雨が降ったとき)。
- 一部の虫が植物にたどり着くのを防ぐ効果もあります。
土壌流出を防ぐ
- マルチは雨や風による土壌流出を防ぎます。
- 傾斜地や雨の多い地域では、特に効果的です。
肥料分の保持
- マルチをすると肥料成分が雨で流れ出すのを抑えます。
- また、マルチの分解で有機物が土に還元される場合もあり、土壌の肥沃度が向上します。
見た目を整える
庭や花壇では、マルチ材(腐葉土やウッドチップなど)が景観を整える効果もあります。
マルチを使うことで期待できる効果
- 労力の削減:水やりや雑草取りの手間が減る。
- 植物の成長促進:ストレスが少ない環境で植物がよく育つ。
- 収穫量アップ:健康な植物は収穫量が増える。
- 土壌の健康維持:長期的に見て、土壌の肥沃度や構造を改善できる。
マルチが特に必要な場面
- 乾燥しやすい土壌:砂質土や強い日差しが当たる場所。
- 雑草が多い畑:防草が難しい地域や作物の周囲。
- 高温や低温の季節:夏場の高温や冬場の霜の影響を和らげる。
- 野菜栽培:トマト、ナス、キュウリなど地温や水分管理が重要な作物。
マルチは作物や目的に応じて適切な素材を選ぶことで、その効果を最大限に活用できます。初心者にも取り組みやすく、持続可能な農業にも貢献する方法なので、ぜひ試してみてください。
マルチが特に必要な野菜
マルチが特に効果を発揮し、育てる際に必要性が高い野菜は、以下のような特徴を持つものです。
これらの野菜はマルチを使うことで、成長がスムーズになり、収穫量や品質が向上します。
地温管理が重要な野菜
対象野菜
トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、スイカ、メロン、カボチャなど
理由
- 夏場:地温が高すぎると根がダメージを受けるため、マルチで温度を調整。
- 冬場や春の早植え:黒色や透明のマルチで地温を上げ、苗の活着を促進。
雑草が問題になりやすい野菜
対象野菜
ジャガイモ、トウモロコシ、サツマイモなど
理由
雑草の成長が早い畑では、これらの野菜が雑草に負けてしまうことがあるため、マルチで防草効果を発揮。
乾燥を嫌う野菜
対象野菜
レタス、ホウレンソウ、サラダ菜、ネギなど
理由
水分不足で品質が低下しやすいため、マルチで土壌の保湿効果を高め、乾燥を防ぐ。
雨による泥跳ねや病気を防ぎたい野菜
対象野菜
イチゴ、トマト、ナス、ピーマン、キャベツ、ブロッコリーなど
理由
雨で泥が跳ねることで発生する土壌由来の病気(例:べと病、軟腐病)を防ぐため。
根が浅く地表の環境に敏感な野菜
対象野菜
ダイコン、ニンジン、ゴボウなどの根菜
理由
根の成長が順調になるよう、保湿や土壌の安定を保つため。
水分のムラが品質に影響する野菜
対象野菜
トマト、キュウリ、ナスなど
理由
水分の過不足が裂果や実の品質低下につながるため、マルチで一定の湿度を保つ。
栽培期間が長い野菜
対象野菜
タマネギ、ニンニク、キャベツ、ブロッコリーなど
理由
長期間土壌表面を守る必要があるため、マルチが有効。
特にマルチが有効な野菜の例
野菜 | マルチの効果 | 理由・特徴 |
---|---|---|
トマト | 地温調整、保湿、防草、泥跳ね防止 | 根がデリケートで、水分や地温の安定が収量に影響する |
ナス | 地温調整、保湿 | 根が浅く、水分不足に弱い |
キュウリ | 保湿、病気予防 | 水分のムラで形が悪くなることがある |
イチゴ | 泥跳ね防止、地温調整 | 果実が地面に接触するのを防ぎ、病気や腐敗を予防 |
ジャガイモ | 防草、土壌流出防止 | 雑草に負けやすいが、マルチで管理が簡単 |
タマネギ | 防草、保湿 | 成長が長期間かかるため、マルチで雑草の管理を楽に |
まとめ
マルチは、特に地温管理、雑草防止、水分保持が重要な野菜に大きな効果があります。
栽培する野菜や地域の気候に合わせて適切なマルチを選び、活用すると収穫量や品質が向上し、栽培がスムーズになります。
ここでビニールマルチの他にもここで紹介したものの中から「これだったらできそう」と思ったものを使ってみて快適な家庭菜園を楽しんでください。