- 家庭菜園を始めたばかりなんだけど、種と苗だったらどっちから育てるほうがいいんだろう
- その理由も知りたいなぁ
- 自分はまだ始めたばかりだし、まずは簡単なほうでやってみたい
この記事はこのような悩みを持つあなたに向けてお届けします。
家庭菜園をしようしたときに「種と苗があるんだけど、どっちで育てたらいいんだろう・・・」
こんなふうに思ったことはありませんか?
結論から言うと、家庭菜園の
目次
苗から育てる方が簡単な理由①発芽の手間が省ける
種から育てると、発芽させるために温度管理や水やりの調整が必要です。
発芽に失敗することも多く、初心者には少し難しいかもしれません。
苗ならすでに発芽してあるので、成長が安定していて、手間が少ないです。
種から発芽させるためにすること
種から発芽させるためにできる工夫はいくつかあり、その中でも実践しやすい方法を紹介します。
種の種類を選ぶ
初心者向けの種(発芽しやすいもの)を選ぶと成功しやすくなります。
例えば、ラディッシュ、ミズナ、ほうれん草、ルッコラなどは比較的発芽しやすい野菜です。
種まきの時期を守る
各種には発芽しやすい気温や時期があり、これを守ることが大切です。
パッケージや栽培ガイドに書かれている適期に合わせて種まきをすることで、発芽しやすくなります。
種を一晩水に浸す
種を一晩水に浸しておくと、種が水分を吸って発芽しやすくなります。
特に乾燥しやすい硬めの種(ほうれん草など)には効果的です。
ただし、あまり長く浸けすぎると逆に腐ってしまうので、4〜12時間程度を目安にするとよいでしょう。
温度管理
発芽に適した温度を保つことが重要です。
多くの野菜は20℃前後で発芽しやすくなります。
寒い季節なら、室内で発芽させるか、保温マットを利用するのも良い方法です。
土の水分を適切に保つ
種が発芽するためには、土が適度に湿っている必要があります。
種まき後、土を乾かさないようにしつつ、過湿にもならないように注意しましょう。
発芽するまでの間、土の表面に霧吹きで水を与えると、適度な湿度を保ちやすくなります。
覆土(ふくど)の厚さに注意
覆土(種の上にかぶせる土)の厚さは種によって異なります。
小さな種はごく薄く、あるいは覆土なしで軽く押さえる程度で十分です。
覆土が厚すぎると、発芽の妨げになることがあります。
発芽前に保温と保湿を促すカバーを使う
種まき後にトレイに透明なビニールカバーをかけると、保温・保湿が保たれ、発芽が安定しやすくなります。
小さな温室のような状態を作ることで、適した環境を整えることができます。
こうした方法を取り入れると、種からの発芽がスムーズになり、成長も順調に進みやすくなります。
種から発芽させる難しいポイント
先ほどは、種を発芽させる方法をお伝えしましたが、この方法通りにすれば必ず発芽するというわけではありません。
この方法通りにやったとしても失敗してしまう難しいポイントがあり、それらをお伝えします。
温度と湿度の管理
発芽には適した温度と湿度が必要ですが、これを維持するのは意外と難しいです。
特に日本の気候は季節によって温度が大きく変わるため、外で育てる場合は気温が不安定になりがちです。
温度が低すぎたり、逆に高すぎたりすると、発芽しにくくなってしまいます。
水分量の調整
種まき後の土は「湿っているけど水浸しではない」状態が理想的です。
しかし、水を与えすぎると種が腐り、逆に少なすぎると乾燥して発芽しなくなります。
適切な水分管理は初心者には難しいポイントのひとつです。
発芽するまでの時間の管理
発芽には種によって日数がかかりますが、毎日成長が見えるわけではないため、待つ時間が長く感じられがちです。
特に発芽に10日以上かかるような植物の場合、発芽しないのか、まだ成長中なのかの判断がつかず、不安になってしまうこともあります。
覆土(ふくど)の厚さや光の調整
種の上にかぶせる土の厚さが適切でないと、発芽に影響が出ます。
厚すぎると種が土を突き抜けられなかったり、薄すぎると乾燥しやすくなったりします。
また、光を必要とする種とそうでない種があるため、種によって光の管理を変える必要があり、混乱しやすいです。
発芽不良の原因が分かりにくい
発芽しない場合、その原因が水分、温度、光、覆土、種の質など様々な要因が絡んでいる可能性があります。
初心者にとって、どの要因が原因なのかを特定するのは難しく、試行錯誤に時間がかかることも多いです。
発芽後の管理も大変
発芽した後も、適切な間引きや植え替えを行わないと、成長が悪くなります。
発芽したばかりの苗は特にデリケートで、根が切れたり折れたりしやすいので、慎重な作業が求められます。
初心者にはこの作業が難しいと感じることも多いです。
こうした点が、初心者にとって種からの発芽を難しく感じさせる原因です。
しかし、一度慣れると自分で発芽させる楽しさや達成感を感じられるようになるので、少しずつ挑戦してみるとよいでしょう。
苗から育てる方が簡単な理由②成長が早い
苗から育てる野菜の中でも、特に成長が早く収穫までの期間が短いものはいくつかあります。
また苗から育てる場合と比べると、種から育てる場合は発芽や初期の成長に時間がかかるため、収穫までの期間は一般的に長くなります。
以下に、種から育てた場合のおおよその期間を、苗から育てた場合と比較してお伝えします。
ラディッシュ(はつか大根)
- 種から育てる場合:20〜30日
- 苗から育てる場合:10〜20日
- 差:発芽(3〜5日)や初期の成長に時間がかかりますが、それでも収穫までの期間は比較的短いです。
- 特徴:成長がとても早く、苗から育てるとさらに収穫までの期間が短くなります。初心者でも簡単に育てやすく、栽培の失敗が少ないのも魅力です。
ミズナ(水菜)
- 種から育てる場合:40〜50日
- 苗から育てる場合:30〜40日
- 差:発芽(5〜7日)と本葉が出るまでの成長が加わるため、種から育てる場合は苗より約10日〜2週間ほど長くなります。
- 特徴:寒さに強く、育てやすい野菜です。間引きしながら若い葉を収穫できるので、長く楽しめます。サラダやおひたしなどいろいろな料理に使いやすいです。
小松菜
- 種から育てる場合:40〜50日
- 苗から育てる場合:30〜40日
- 差:種からの場合、発芽後の双葉から本葉が出るまでの成長が遅い分、約10〜15日多くかかります。
- 特徴:小松菜は気温の変化にも強く、比較的育てやすい野菜です。特に温暖な季節ならぐんぐん成長し、収穫も早いです。スープや炒め物など、幅広い料理に使えます。
サニーレタス
- 種から育てる場合:50〜60日
- 苗から育てる場合:30〜40日
- 差:発芽(5〜10日)と初期の葉の展開に時間がかかるため、種から育てる場合は苗より約2〜3週間長くかかります。
- 特徴:サニーレタスは成長が早く、葉が大きくなってきたら外側の葉から収穫する「摘み取り収穫」ができるので、長期間収穫を楽しむことができます。ベランダや鉢植えでも育てやすいです。
ルッコラ
- 種から育てる場合:40〜50日
- 苗から育てる場合:30〜40日
- 差:発芽(3〜5日)や双葉から本葉への成長により、種から育てる場合は約10日〜2週間長くなります。
- 特徴:成長が早く、サラダに使える人気の野菜です。少しピリッとした風味があり、サラダのアクセントになります。苗から育てると早く収穫できるため、すぐに楽しみたい方におすすめです。
シュンギク(春菊)
- 種から育てる場合:50〜60日
- 苗から育てる場合:30〜40日
- 差:発芽(7日程度)と初期の葉が展開するまでに時間がかかるため、種からの場合は苗より約2〜3週間長くなります。
- 特徴:苗から育てると成長が早く、柔らかい若い葉を摘んで使えます。鍋やおひたし、サラダなどに利用でき、少しずつ収穫することができます。
これらの野菜は、比較的成長が早く収穫までの期間が短いため、初心者にも育てやすくおすすめです。
また、少量ずつ収穫して長く楽しめるものが多いので、家庭菜園での収穫の楽しさを実感しやすいでしょう。
種から育てる場合にかかる時間の要因
- 発芽期間:3〜10日程度(野菜によって異なる)。
特に低温や高温の時期には、発芽が遅れたり発芽率が下がったりすることがあります。 - 初期成長期間:発芽後、双葉から本葉が出て成長を始めるまでに2週間ほどかかることが多いです。この間は苗がデリケートで、病害虫や乾燥の影響を受けやすいです。
苗はすでに発芽後2〜3週間育てられている状態から始めるため、この初期の時間が省け、すぐに成長期に入ります。
その結果、収穫までの期間が短くなり、初心者でも育てやすく感じやすいというメリットがあります。
苗から育てる方が簡単な理由③病気や害虫に強い
苗から育てる場合、種から育てるよりも病気や害虫に強いとされる理由についてですが、これは苗がある程度成長してから植え付けるため、病害虫に対する耐性がつきやすいからです。
また、丈夫な苗を選ぶことで、さらに病気や害虫のリスクを抑えることができます。
具体的には以下のような理由が挙げられます。
初期の育苗過程で病害虫に晒されにくい
種から育てると、発芽直後のまだ弱い状態で病害虫にさらされることが多く、特に湿気が多い場所では「立ち枯れ病」や「苗立ち枯れ病」などの病気が発生しやすくなります。
しかし、苗から育てると、発芽後のデリケートな時期をある程度クリアしているので、こうした初期の病気にかかりにくくなります。
根がしっかりしているので病害虫に対する抵抗力が強い
苗は根がある程度成長しているため、土壌中の病害虫に対する抵抗力がついています。
種からの栽培では根が未成熟であるため、病原菌や害虫にやられやすいですが、苗は土壌に根を張りやすく、成長を続ける力が強いため病害虫の影響を受けにくくなります。
丈夫な苗を選ぶことでリスクが減る
ホームセンターや園芸店などで購入する苗には、育成過程で厳選された丈夫な苗が多いため、病気に対する耐性が強い傾向にあります。
しっかりした苗を選ぶことで、元々健康な状態からスタートできるので、病害虫に対するリスクが低くなります。
選ぶ際には、葉が青々としているものや、茎がしっかりしているものを選ぶと良いでしょう。
丈夫な苗は害虫の被害を受けにくい
種から育てた小さな芽や柔らかい葉は、アブラムシやナメクジなどの害虫に狙われやすいですが、苗の段階まで成長していると、葉がある程度硬くなっているため、害虫に食べられにくくなります。
また、ある程度の大きさがあるため、多少の被害を受けても成長に大きな影響が出にくいです。
根腐れや湿度の影響を受けにくい
種から育てる場合、発芽直後の根はデリケートで、湿度や水分の調整が難しく、過湿による根腐れや土壌の病害に影響を受けやすいですが、苗は発根がしっかりしているため、根腐れを起こしにくくなります。
また、苗の状態で植え付ければ、土の通気性を確保しやすく、適切な水やりで過湿や乾燥を防ぎやすいです。
予防薬剤が使われていることが多い
市販の苗には、出荷前に防虫や殺菌のための薬剤が使用されていることがあり、これにより病気や害虫に対する初期のリスクが抑えられています。
特に無農薬で育てることにこだわらない場合、こうした苗を選ぶと病害虫対策が楽になります。
このように、苗から始めると、植物がある程度の強さを持っているため、病気や害虫に対するリスクが低くなります。
これは初心者にとっても育てやすく、病害虫の心配を減らし、より楽しく家庭菜園に取り組める要因となっています。
種から育てる場合に病気や害虫対策のためにできること
種から育てる場合でも、適切な病気や害虫対策を取ることで、健康な苗に育てやすくなります。
以下に、種まきからの病害虫対策のポイントをいくつか挙げてみます。
使用する土を清潔に保つ
新しい土を使う
市販の培養土や種まき専用の土を使うと、病原菌や害虫が少ないため安心です。
以前使った土や庭の土は病害虫が含まれている可能性があるため、避ける方が無難です。
土の消毒
もし再利用する場合は、熱湯をかけるか、黒いビニール袋に入れて天日干しして消毒する方法もあります。
土壌中の菌や害虫の卵を減らす効果があります。
種をまく前に「種の消毒」を行う
種の消毒
種子に病原菌が付着していることがあるため、種を消毒すると発芽後の病気リスクが低くなります。
一般的には、ぬるま湯(50℃程度)に10〜15分浸してから冷水で冷やす方法が効果的です。
ただし、種の種類によっては熱に弱いものもあるので、取扱説明を確認しましょう。
適切な発芽環境を整える
水はけの良い土を使用
過湿は根腐れや土壌病害の原因となるので、水はけの良い土を使い、過湿にならないようにします。
水やりの工夫
種まき後の水やりは霧吹きで表面を湿らせる程度にすると、種が流れたり根腐れを防げます。
また、発芽まではビニールカバーや育苗トレイを使って適度な湿度を保ちつつ、蒸れないように注意します。
病害虫予防のための環境管理
適度な通気性を確保する
発芽後、湿気が多いとカビや病気が発生しやすくなるため、発芽後は風通しの良い場所で育てると病気予防になります。
屋外に出せる場合は日中だけ外に出して風を当てるのも効果的です。
日光を適度に当てる
苗は弱光で育つと病害虫に弱くなるので、発芽後は十分に日光を当てて丈夫に育てましょう。
寒い季節には、日当たりの良い窓際や育成ライトを使うのも良い方法です。
天然の害虫忌避方法を活用する
防虫ネットを使用
種が発芽して双葉が出始めたら、防虫ネットを使って害虫の侵入を防ぎます。
アブラムシやヨトウムシなどの害虫を物理的に防ぐことができます。
ハーブや薬剤の活用
バジルやマリーゴールドなど、害虫忌避効果のある植物を周囲に植えることで、害虫対策になります。
また、天然成分のスプレー(ニームオイルなど)を使うと、安全に害虫を予防できます。
早めの間引きで風通しを良くする
発芽した苗が混み合っていると蒸れやすく、病気が発生しやすくなります。
ある程度大きくなったら、健康な苗を残し、間引きをして風通しを良くします。
また、間引き後の苗が触れ合わないように間隔を空けることで病害リスクを減らせます。
こまめに観察して早めに対処する
発芽後から成長期にかけて、毎日苗を観察して病気や害虫が発生していないか確認することが大切です。
葉の色が変わっていたり、害虫がついている場合は、早めに取り除くか、適切な対策を施すことで被害の拡大を防ぎます。
これらの方法を組み合わせることで、種から育てる際の病害虫リスクをかなり低減でき、より健康な苗を育てやすくなります。